
3代目MR GAY JAPANに選ばれたHIROが語る。同性婚への熱い思い。
2021年4月に決定した3代目ミスター・ゲイ・ジャパン。
その栄光に輝いたHIROさんが、今回アンロミー!で自身が推進している同性婚の理解促進運動について語ってくれた。
新しい未来を切り開くスポークパーソンとして、同性婚を実現しようとしている人たちを通して感じたことや、今の日本の現状、今後ミスター・ゲイ・ジャパンとして取り組んでいきたい活動まで、HIROさんのひたむきな言葉で綴ってもらった。
好きな人と結婚するってめっちゃハッピーなことじゃん!
ミスター・ゲイ・ジャパンの活動方針はLGBTの環境改善推進と同性婚姻合法化です。
ミスター・ゲイ・ジャパンのファイナリストが決定し、初めての顔合わせとレッスンがスタートした時の僕は、同性婚…… できたらいいよなぁ。程度にしか思っていませんでした。しかし、いざ講義が始まり、実際にパートナーと居住を共にしている東京訴訟の原告の方の話を聞いて価値観が変わったんです。
「結婚=法的な保障や権利が与えられる」
実際に結婚するということは法律によって守られることや受けられる制度が大幅に変わります。これらについては調べればいくらでも出てくるので割愛しますが、実際に結婚できないことによって不自由を感じている人がまさに今目の前にいるということを知りました。
パートナーシップじゃダメなのか?
よく耳にするパートナーシップじゃダメなのか? 僕は同時にそんな疑問も持ち始めました。こちらについても原告さんや弁護士の方からご教授いただき、パートナーシップではその地域でしか認められない制度であることがわかりました。
例えばパートナーシップを結んだ地域以外の場所で病院にかかったり公的なサービスを受けたい場合はその施設ごとの判断になります。ですが同性婚が認められればそのような心配すら要らず緊急の場合でも当たり前で至極当然のように家族または配偶者として認めてもらえるのです。
原告の方々は自分たちの結婚を望むことの他に、「不自由な世の中は僕たちの世代で終わり! 次の世代の若者たちが結婚したいと思った時に選択肢が備わっている社会にしたい!」と仰ってました。
自分たちのこと以外にも目を向け、考え、行動している原告さんには頭が上がりません。僕もその想いに強く共感し、共に声をあげていきたい! と、同性婚アンバサダーに立候補し、その想いを胸にこれまで活動してきました。
重要なのは、同性婚賛同の声を上げ続けること。
同性婚が認められるべきだと思いますか? という質問に世論はどちらかと言うと認められるべきだと言う回答が多くなっているのが現状です。
社会全体で見ると、アウティングを含め身近な問題としてあがることが少ないため、国として検討を先送りになっていることを感じます。だからこそ、僕たちにできることは、継続して同性婚賛同の声を上げ続けることが重要なのです。
またSNSなどで同性婚をテーマに賛否の議論されることも社会の関心として認知されていき、国にとって議論せざるを得ない状況になることで同性婚理解の促進につながると思っています。
結婚という制度が選べるか選べないか
パートナーシップ宣誓制度ではカバーしきれない部分の保障や制度が法律で認められることで可能になります。また、日本人と外国人パートナーが一緒に暮らす上で、とても重要な法整備になります。
国民として幸せを追求する権利は憲法で認められているので、国民1人ひとりに好きな人と結婚できる選択肢があることが必要です。付き合う上で結婚という選択肢があると未来の選択肢が増え、パートナー選びにも変化が生まれると思います。
それが良い悪いは置いておいて、異性間で当たり前のことを同性同士でも実現可能にしていきたいんです。もちろん、結婚を考えていないカップルもいると思いますが、自らアウティングしなければ今までと変わらないので結婚という制度が選べるか選べないか、それが重要な事なんです。
3代目ミスター・ゲイ・ジャパンとして……
まずミスター・ゲイ・ジャパンとして僕が取り組みたいのは同性婚訴訟の情報共有発信です。主に福岡訴訟、東京訴訟を中心にオンライン報告会などを視聴し、内容をまとめてSNSにて発信していきたいです。今後の裁判日程や進捗状況、これからどのようなポイントが判決の鍵になるのか考察し、それを僕の目を通して発信していきたいと思っています。
次にパートナーシップ宣誓制度導入の推進活動です。関東圏を中心に、パートナーシップ宣誓制度の導入を検討している地域に寄り添ったり、地域ごとに活動しているLGBT団体と連携し、推進活動に取り組んでいきたいです。
同時に企業におけるLGBTに対する理解促進を促していきたいです。性的指向についての理解を深め、ハラスメントに関するガイドラインの作成に関わっていきたいと思っています。また、パートナーシップ宣誓制度について家族と同等の扱いをしてもらえるように理解促進に努めたいです。
ありのままで生きるって豊かで楽しいことですよね。
これからの日本は益々多様化が進み、自分らしく生きることや発信することがある程度自由になっていき、自分の気持ちをアウトプットすることが大切なことだと思います。
僕は、現在勤めている会社で、コンテストに出場していることを伝えるかすごく迷いました。入社前の面接ではカムアウトはしていないし、する必要もないと思いましたが、もしSNSやメディアに取り上げていただいたときにバレて、セクハラやパワハラにあったらどうしようと思いました。
悩んだ挙句、周りからバレるよりは良いか、別に悪いことをしているわけではないし。というか、こうやって思わなきゃいけない自分の気持ちと社会を変えたいんだった! と再認識し、カムアウトすると同時に上司に伝えました。
多少驚かれたものの、『社会貢献は素晴らしいことだから時間や日程の調整はするよ』と、良い意味で期待を裏切られたような反応でした。もちろん、現状ではこういった会社ばかりではないと思います。ですが、アウティングに関するガイドラインを作成、実施している企業も増加傾向にあるのも事実です。
ティーン世代やこれから社会を動かす力を持った20代、30代のLGBTの方々がアウティングの可否に関わらず、自分らしく生きていけるように社会の意識を変えるため声を上げていきたいと思います。
ありのままで生きるってとっても豊かで楽しいことですよね。
僕はLGBTの人々にとって身近な存在でありたいので、これからもSNSや実際に現場に足を運び色々な方々とコミュニケーションを取って、環境改善に取り組んでいきたいのです!