
【ゲイたちのモヤつき】モテと健康診断
ゲイとして生きていくのは大変だ。オープンにしている人もそうでない人も、どんな性格の人だって、さまざまなモヤモヤを抱えて生きている。
めまぐるしい日々のなかで抱える憂鬱を「まあ、世の中そんなもんか」とやりすごすこともできるけど、たまにはスポットライトを当ててあげるのはどうだろう?
たとえ情けなくてもダサくても、ときには小さなことでクヨクヨしている自分の気持ちに向き合う。そんな等身大のモヤモヤや憂鬱な気持ち、ジレンマなどを集めたシリーズです。
171/64/30
春になると新学期、会社も期がかわるところが多い。すると、やってくるのが健康診断。
フリーランスやお店勤めだったりして、あるいは自分はまだまだ若いとたかをくくって健康診断をサボっている人もいるかもしれないけれど、20代後半から30代の人でも、受けられるものなら受けたほうがいい。
なぜなら、ゲイとして身長体重を「モテ」の路線に持っていこうとして、不健康な体型になっているということに、僕たちはしばしば無自覚だからだ。
ゲイ特有の用語として「身長/体重/年齢」をプロフィールに書くことがあるが、これは好みの体型のゲイを見つけるために広まったスラング。
さて、日本人の30歳の平均身長は171cm、その適正体重は64kgほどだという。つまり、171/64/30。
ちょっと細いな、と思った人もいるだろう。
たしかにゲイの世界では一定「大きければ大きいほどモテる」という定説がある。
太っていたり、マッチョだったり、あるいはほどよい筋肉とほどよい贅肉をたくわえた大きな男性を魅力的だと感じるゲイも多い。
普段はゲイとして大きくなるために自分磨きをした結果、健康診断で過体重だったり、中性脂肪だったり、「ヤバイ」と気づかされるというジレンマに陥ることもあるのだ。
適正体重
しかしゲイのモテとは裏腹に、健康的な体型はわりと細めだ。
適正体重とは、最も「病気になりにくい健康的な体重」のこと。たしかに病気になるのはイヤだ。
適正体重は身長を元に計算されるので男女や年齢によって変化するものではなく、身長を元にBMI指数が「22」になるように計算する。計算式は以下のとおり。
適正体重 = (身長m) × 22(BMI)
この計算式に当てはめると、1.71(身長)× 22 = 64.3kg なのだ。
もちろん人によって好みは違うものの、「ムッチリしていてエロい」「パツパツの体型が素敵」という常識のなかだけで生きていると、いつのまにか病気になりやすい身体になっている可能性があるから要注意である。
健康でありながら、モテたい
健康にも気をつけたいけど、やっぱりモテも捨てられない。という人も多いだろう。
ただし、「モテとはなんだろうか」という永遠のテーマはまたにするとして、これからの魅力的な大人の男というのは「ただ大きければいい」というわけではない。
若いうちはそれでいいかもしれないけれど、大きいだけで中身がない男性はおもしろみがないだろう。
にんげんだもの、体格だけでモテは決まらない。
ちょっとした気遣いや清潔感、いさぎよさ、決断力、ユーモア、そのなかの1つとして、自分をコントロールできているか?というのもあるんじゃないかと思う。
お金にだらしなかったり、健康に無頓着だったり、家事をまったくしなかったり、あるいは感情を爆発させてばかりの人は友達でも恋人でもなかなか付き合いにくい。
うまくいかない事があったとしても、そういう面をコントロールしようと努力することで、長い目で見ると、人は信頼される=モテるんじゃないか?
そう思えば、自分の体を健康的に保つのはモテ活の一貫とも言えるかもしれない。
たしかにきちんと自分の身体をキープできている人は素敵だ。
美しいうちに散りたい、老後のことなんて考えない。というツワモノもいるかもしれないが、人生は長い。
今の自分の身体って、医学的には偏差値いくつくらいなんだろう?そういう視点を持ちながら、適正体重の範囲で自分のカッコイイを見つけてみるのも良いのかもしれない。