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最近、急増しています 「ロマンス詐欺」

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「ロマンス詐欺」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。SNSやマッチングアプリを使って、知り合った相手からお金や、個人情報を盗む犯罪行為のことです。

年々、被害者数が増えていて独立行政法人国民生活センターによれば、相談件数は2019年度の72件から2022年度は941件に増えています。

けど、それってノンケの話じゃないの? そんなのに騙されるのは、モテないヤツだけ。そんな風に考える人もいるかもしれません。

しかし、周りに相談しにくいなどの理由で、世の中にはあえてゲイをターゲットにしている犯罪者もいるとか。また、疑いを持ちながらも、つい振り込んでしまったという被害者も。

お金を失った後に後悔しないよう、その手口と特徴など、知っておきましょう。

中には数億円の被害を受けた人も! 

「ロマンス詐欺」とはSNSやマッチングアプリを使って、ターゲットに接近。相手に恋愛感情をもたせた後に金品を要求する詐欺の手法です。お金を要求するための手口としては、例えば以下のようなものがあります。

①「二人の将来のため」と言って暗号通貨などの投資話を持ちかける

②移動中、トラブルに遭い手持ちのお金がないことを理由にプリペイドカードや暗号通貨での送金を依頼してくる

③贈り物を送ったが税関で止められたので、お金を代わりに払って欲しい(「贈り物の中にお金を入れてあるので、後で返せる」など安心させることを言う)

④身内もしくは自分自身が大きな病気になったなど、お金を必要としていることをアピールしてくる。

これらを信じさせるために偽のホームページや画像を用意している場合もあります。

また、最初は少額の要求をして、実際に返金をすることで、こちらを信じさせ、徐々に大金を要求してくるというのも、よくある手口です。

このように数百万から数千万円のお金を騙し取った後、アプリやSNSでこちらをブロックしたり、アプリから退会して、こちらが相手を追跡できないようにしてしまいます。

こんな場合は要注意! お金を目的にしたユーザーの特徴

では、そんな被害に遭わないためにはどんなことに気を付ければ良いでしょうか。まずは、お金を目的としたユーザーの特徴をお伝えしますね。

①他サイトや別アプリ、SNSに誘導してくる

やり取りを始めてまもなく「このアプリはあまり使っていないから」など理由を付けて、別のアプリやサイト、SNSに誘導してきたら、要注意。

これは犯罪者がマッチングアプリ内で通報されてアカウントを削除されることを避けるための対応のようです。

もちろん、人前でゲイアプリを立ち上げたくないというユーザーの可能性もありますが、チェックポイントとして頭に入れておきましょう。このパターン、本当に多いです。

②役に立つ勉強会のお誘い
これは特に日本人同士でありがちですが、「役に立つ勉強会」と称してマルチ商法の集まりや投資話への勧誘、場合によっては宗教の勧誘をしてくることがあります。

もちろん、勉強会だからといって全てがダメな訳ではありません。それをきっかけに友だちができた経験がある人もいるでしょう。

まずは、相手に勉強会の名前や運営している団体の情報を聞きましょう。そこではぐらかされたら、要注意のサイン! ネットで事前に検索されて困るようなことがあるのかもしれません。

また、仮に初リアルでそういう話を持ち出されても、その時に決断せず持ち帰ること。その場で決断させようとする場合は、非常に怪しいです。

③あまり長期間のやり取りは好まない
男女では時間を掛けるパターンもあるようですが、ゲイの場合はあまり時間を掛けずに本題へ移る印象があります(長い期間、やり取りをした後に暗号通貨取引の勧誘を受けたという人もいるので確定ではありませんが)。

目的がお金だから、「見込みのない人間を相手にして時間を無駄にしたくない」という心理が働くのでしょう。

ちょっとおかしいなと思ったら、やり取りの頻度を落としてみるのもひとつの手です。

被害に遭わないための防衛策


それでは、被害に遭わないためにはどうしたら良いのでしょうか。その防衛策としては以下のようなことが考えられます。

①まだ実際に会ったことがないor知り合って間もないのにお金の話をしてくる

現実世界では仲良くなってから連絡先の交換をするという順番ですが、SNSやアプリでは最初に連絡先を手に入れることができます。

この影響なのか、そこまで知らない相手にも関わらず、親しい相手だと勘違いしてしまうという現象があります。

考えてみてください。日常生活であれば、知り合ったばかりの人にお金を貸さないですよね。ましてや、一度も会ったことがない相手であればなおさらではないでしょうか。

ですから、実際に会ったことがないor知り合って間もない相手からお金の話が出たら、一度立ち止まって考えてみてください。

なお、詐欺師の中にはビデオ通話をして、あえて相手の信用を高めようとする輩もいます。声を聞いたことがあるだけでは、不十分ですよ。

②詐欺の手口を知る
ロマンス詐欺であれ、投資話やマルチ商法であれ、彼らの手口には一定のパターンというものがあります。

ですので、実際にどのようなものなのかを知っていることで、相手にお金を払ってしまう前に、立ち止まれる可能性が上がります。

ネットで「ロマンス詐欺」などの単語で検索すれば、ひと通りの情報を手に入れることは可能です。また、以下に紹介する本も役に立つでしょう。

参考文献
水谷竹秀 『ルポ 国際ロマンス詐欺』 (小学館新書、2023年)

③画像検索をしてみる
ロマンス詐欺をする犯罪者は自分のプロフィールや、被害者を信じさせるための写真をネットから収集しています。

特に有名なインスタグラマーなど、色々なシチュエーションの写真をアップしているユーザーがアップロードしているものを盗用している場合が多いようです。

何か違和感があったら、相手のプロフィール写真や送ってきた写真を画像検索してみましょう。

似たような写真が出てきたら、詳細をチェックしてみて。聞いていた話と違う点があれば、要注意です。

④個人認証を行っているアプリを利用する
誰でも使えるアプリだと、犯罪者も簡単に登録できてしまいます。ですから、利用開始時に個人を確認する手続きのあるアプリの方が安心です。

例えば、ゲイ向けでは「AMBIRD」は年齢確認のための証明書を提出しなければ、メッセージのやり取りができません。

また、違反ユーザーを検知する仕組みを用意し、違反ユーザーは再登録ができないようにしている。アクセス可能地域を「日本」のみにしているなどの対応を取っています。

犯罪者もどんどん手口を巧妙化させていますので完ぺきではないかもしれませんが、リスクはより少ないでしょう。

「おかしいな」と思ったら相談を


実際、被害に遭われた方々も、途中で違和感を覚えたタイミングはあると言います。

しかし、「相手に嫌われたくない」、「投資をして得た利益を取り戻したい」、「こんなにお金を払ってしまったので、今更止められない」などといった理由で後戻りができなくなってしまうようです。

できれば、周りの人に相談してみましょう。また、弁護士や警察、公的機関などの第三者に話を聞いてみて。特に警視庁のサイバー犯罪対策課には、マッチングアプリによる犯罪に詳しい人が揃っているとのこと。

ちゃんと対策して、良い出会いを楽しんでくださいませ。

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