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HAPPY PRIDE MONTH!! 2021年のレインボーアイテムから見る世界のLGBTQ+

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毎年5月からこのシーズンになると街で目にするようになったレインボーカラー。4月の終わりから5月の頭にかけてのPRIDE WEEK、そして6月は世界的なPRIDE MONTHだ。

1970年代からLGBTQ+の多様性を表す象徴として掲げられている6色のフラッグは、アクティビストでありアーティストのギルバート・ベイカー氏によって考案された。旗づくりを依頼したのは、映画『ミルク』でもよく知られる政治家のハーヴェイ・ミルク氏。1979年から、赤、オレンジ、黄、緑、青、紫の6色を旗に掲げ、LGBTQ+コミュニティの象徴としてきた。

そんなレインボーカラーを、ここ数年は日本でも目にする機会が増えてきている。ファッションアイテムとしてのレインボーアイテムは世界的なブランドが毎年力を入れて発表している。

しかし今回は、少し違う視点で。今年、2021年に発売されたレインボーアイテムから、その背景を読み取っていきたい。

スウェーデンからはレインボーのエコバッグ

「より快適な毎日を、より多くの方々に」をビジョンとするスウェーデン発祥の家具ブランドIKEA。多様性を尊重する社会の実現を支援するため、レインボーカラーのアイテムを発売した。

IKEAと言えば…… と、すぐ連想できてしまうがエコキャリーバッグ。その容量の多さや使い勝手の良さに、日常的に出くわすシーンが多いように思う。そんなアイコニックな商品が、鮮やかなレインボーカラーに彩られ今年4月15日から発売されている。

IKEAの発祥の地であるスウェーデンは、LGBTQ+に友好的な国ランキングでは首位を獲得している。またスウェーデンでは、LGBTQ+の権利をめぐる歴史がとても長く、性別適合手術を終えたトランスジェンダーへの法的な性別変更を認めた最初の国であったり、今から12年も前の2009年には同性婚も合法となっている。

これから梅雨の間でコインランドリーに行く機会も増えそうだ。洗濯を終える間に乾燥機にレインボーカラーのエコバッグを引っ掛けておくだけでも、僕たちが日常的にできるささやかな意思表示になるかもしれない。

台湾からはコロナ禍ならではのアイテムをレインボーに

同性婚法案がアジアで初めて認められた台湾からは、コロナ禍ならではレインボーグッズが発売された。

台湾製の三層構造の不織布マスクはSGS(スイスのジュネーブに本社を置き、検査、検証、試験、および認証の分野における世界トップレベルの企業)検査済マスクで、厚地でしっかりとした品質の高いマスクとなっている。

2019年にアジアで初めて同性婚が認めれた国ではあるが、もともとLGBTQ+に友好的だったわけではない。日本と同じように「同性婚は、家族を破壊する」という考えが蔓延していたのも事実だ。1987年まで戒厳令が敷かれ人権が抑圧されていた台湾。1990年代に入ってその戒厳令が解かれたのをきっかけに民主化が進んだそうだ。

加えて、若者世代にとっては、身の回りにLGBTQ+がいるのは普通のことで、自分や家族がLGBTQ+でなくても、法案を支持してくれる人たちがたくさんいたのだ。台湾を変えたい、いい国にしたいという若者の願いが大きく背景にあるだろう。これからの未来を作っていく若者の声に国が耳を傾け、もとある土壌を変えたのだ。

先日、渋谷でのデモにおいても多く目にしたレインボーマスク。(物理的に)大きな声をあげられないこのご時世、声を荒げず口元に鮮やかなレインボーカラーを纏うだけで、僕たちの毎日も少しだけ鮮やかになるかもしれない。

日本も少しずつレインボーカラーに

北欧の先進国スウェーデンや劇的な変化を遂げている台湾にはすぐ追いつけないかもしれないが、日本の企業も少しずつ新しい未来を作ろうとしている。

カップ酒、と聞くと若者のお酒というよりは少し渋いお兄さんたちの嗜みとして認識してしまっていたワンカップ。販売元である大関株式会社では2021年1月に世界8ヵ国で発売した「ワンカップレインボー」を数量限定で国内での発売も開始した。

正直なところ、いわゆる”日本企業”をイメージしてしまっていたのだが、大関では1996年新卒採用活動におけるエントリーシートから性別記入欄の廃止、2008年にハラスメント防止規程に基づき社内相談窓口の設置をし、去年2020年時点では、ハラスメント防止規程を改め、性的指向・性自認を理由としたいやがらせや言動を禁止行為としている。

こうやって少しずつでも日本の企業が、これまで見て見ぬふりをされてきたことに向き合おうとしてくれている。自分たちより大人の世代もきちんと考えて、それを実行してくれていることがとても心強い。

街を彩るレインボーカラーの意味を、日本に住んでいる全ての人たちが理解する日までもう少し時間はかかるかもしれない。しかし、こういった日常にあるレインボーを少しずつでも増やせていくことが大切なのではないかと思う。

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