心にみずみずしさを「オールドファッションカップケーキ」

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『オールドファッションカップケーキ』キービジュアル (左から)武田航平、木村達成 ©2022佐岸左岸/大洋図書/「オールドファッションカップケーキ」製作委員会

何か楽しいことをしたい。けれども、何をしても、いまいち心が満たされない自分がいる。

でも、普段の生活は職場と家の往復ばかり。たまに、遊びに行くのは、いつもの面子、いつもの場所。

そんなあなたに必要なのは、これまでの日常的なルーチンを捨てて、今まで経験したことがない新しいことに挑戦してみることかもしれません。

という訳で、まだご覧になったことがなければ、ドラマ版の「オールドファッションカップケーキ」をチェックしてみてはいかがでしょうか。

あらすじ

四十歳を目前にした野末(武田航平)は上司からの昇進の誘いも断り、平穏な日々を淡々と過ごしていた。

そんな彼を慕う部下の外川(木村達成)との話の流れで、パンケーキを食べに行くことになった二人。

それをきっかけに野末と外川は週末、一緒に出掛けることになる。

原作は佐岸左岸の同名BLコミックスで、「ちるちるBLアワード2021」のBESTコミック部門では第1位を獲得。

お前ら、イチャイチャし過ぎ!

記事を書くにあたって原作を読み返してみましたが、ほとんど原作を忠実に再現した作品に仕上がっています。

では、原作を読んでいたら楽しめないのかと聞かれたら、それは違います。マンガでは細かく書かれなかった行間をドラマではしっかりと描写しています。

二人で遊びに行って、楽しい時間を過ごしているシーンは「イケメンが二人で幸せそうな顔をして、楽しそうな姿をただ眺めて癒やされたい」という願望を叶えるのに、ピッタリ。

また、部下の外川が策略的に野末を自分のペースに巻き込みながらも、関係を崩したくないが故に、どうしても踏み込めないところは片思いしたことがある人には共感できるのではないでしょうか。

「最近、ドキドキする恋愛をしていない」なんて方は、リハビリとしてこの作品をみてみるのも良いかもしれません。

「守り」に入ってない?

作中で外川は野末に対して「面倒臭がるフリをして、変化することを怖がっているんじゃないか」と指摘するシーンがあります。

「◯◯って、そういうもの」、「これが普通」、「そんなの常識」。そんな風にレッテルを貼って、深く考えるのを放棄する。

自分自身を振り返ってみても、そういう思考のショートカットを無意識にしていることって、よくあります。

ですが、一歩踏み出してみたら、最初の印象とは違ったなんてことも、よくあること。

新しいことへの挑戦を楽しめる。実際の年齢が何歳であれ、そういう心の柔軟性こそが精神的な若さなんじゃないか。野末さんを見ているとそう感じさせられます。

だから、「自分には」、「そうは言っても」なんて心の鎧を捨てて、一歩踏み出す勇気が必要なのでしょう。人生の彩りを取り戻すためにも。

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