
ゲイの日本代表を決める? 「ミスターゲイジャパン」ってどんなコンテスト?
3年ほど前からTwitterでちらほら見かける「ミスターゲイジャパン」という文字。ミスターコンをやるなんてLGBTQ+ムーブメントもここまできたか…… と遠巻きに見ていました。(のちに大会最中のプロポーズ動画がバズっていたりと、低みの見物をしていたのも否定できません。)
ノンケが主催しているのものだとなぜか思い込んでいたのですが、セクシャルマイノリティ当事者やアライの方々が率先して運営していると知り、急に興味が湧いてきたこのコンテスト。そこで、今回取材を申し込み、調べてもいまいちわからないことを根掘り葉掘り聞いてみることにしました。
ずばり、ミスターゲイジャパンってなんですか?
そもそも、ミスターゲイワールドという世界大会に選出する日本代表を決める大会がミスターゲイジャパンです。世界中の”ミスターゲイ”が一挙に介する世界大会の「ミスターゲイワールド」。一般ゲイの思考では追いつけないほど大きなスケールです。
そもそもミスターゲイワールドが開催されている意味は何か聞いてみたところ、こんな回答が返ってきました。

ゲイの首脳会談……? その様子はちょっと見てみたいかも。当然世界中にゲイはいて、各国のレペゼンゲイたちが意見し合うなんて、日本に住んでいるとそんな漫画のような状況を、自分たちの世代では見られないなんてどこかで思っていました。自分の知らないところで世界は少しずつ進んでいるんですね。
LGBTQ+の認知、同性婚の理解の促進が目標
2009年、カナダのプライドパレードの一部から始まったミスターゲイワールドに、日本は約10年遅れた2018年に加盟しました。渋谷区神宮前で第1回ミスターゲイジャパン日本代表選考会を実施し、初代MR GAY JAPANが決定しました。
コンテストの観客は招待制で、LGBTQ+とは普段関連のない人々を多く招いて認知のきっかけとしています。日本国内のLGBTQ+の認知と理解の向上に加え、日本のLGBTQ+の環境改善と同性婚の理解促進を目標に掲げ、そのメッセージを発信できるロールモデルとなる人を探しているとのこと。
団体の目的を聞いて、久々に考えてしまいました。東京に暮らしていると、ゲイであることが不便だと思うことも忘れてしまう毎日です。めんどくさそうなときは自分がゲイであることを言わず、結婚という言葉はヘラヘラと聞き流していればいいのですから。”GAY PRIDE”という言葉も、世間の差別が自分たちに向けられた時にだけ振りかざす言葉になってしまっています。悲しむときや怒るときだけ使う言葉ではないはずなのに。
ミスターコンテストにする意義とは?
だからといってわざわざコンテストに? と、ミスコンやミスターコンに否定的な感情を抱く人も少なくないと思います。先述した通り、こういった類のものは低みの見物をしてる方が楽ですから。しかしそんな意地悪な質問にも一切お茶を濁さない回答です。

さらにこのコンテストで、世界のLGBTQ+と繋がる良い機会です。一概にはいえませんが、日本は、LGBTQ+に対し良く言えば寛容ですが反面無知で無害なことが多いように感じます。同じように、自分自身も含め日本の当事者たちは、世界のLGBTQ+が置かれている環境について無知で無関心です。
まずは、自分たち当事者が世界の仲間たちに目を向け、彼らがどんな問題を抱えているかを知り、日本はどうなんだろうと考えることをスポークスパーソンを通して見つけてくれることに意義があるのではと思います。
2020年のミスターゲイジャパンは誰の手に?
例年通りなら、すでに大会が開催され3代目MR GAY JAPANが決まっているのですが、今回はこのような時世のため3月14日〜28日の2週間に渡ってオンラインで大会を配信。投票方法も審査員からの投票に加え、インスタグラムで指定の投稿(各ファイナリストの投票用投稿)のいいねの数、公式HPからの投票もできるようにされました。
3代目MR GAY JAPANになる権利を得たファイナリストは以下の4名。
MITSURU
HIRO
HIDE
HAJIME
1人だけでなく複数人への投票も可能です。アンロミーでは、この4人のより詳しいのプロフィール記事を近日アップ予定です!
LGBTQ+のより良い未来のために、少しだけ世界に目を向けてみませんか?