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”自分らしさを大切に”出会えるゲイアプリを目指す- AMBIRD開発に秘められた想い

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更新情報:公式アプリの名称および運営企業名等変更にともない、追記いたしました。2020.02.03

2019年4月に公開された、国産の新しいゲイ向け出会いアプリAMBIRD(アンバード)をご存知でしょうか。

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今までのゲイ向け出会い系アプリは「見た目×距離」でしか相手を判断できず、”見た目がマッチしなければ出会うきっかけすらつかめない”というイケメン至上主義的ツールだったのに対して、AMBIRDは「共通点で繋がる」というコンセプトで「こだわり・趣味趣向」といった内面にもフォーカスされているのが特徴。

公開早々から、確かに見た目も大事なんだけど「趣味の合う友達や恋人と出会いたかった」「真面目な出会いがライトにほしかった」というゲイ達のニーズに答え支持を集めています。

今回は、そんなゲイ向け出会いアプリAMBIRDを開発運営する『株式会社アラン・プロダクツ』(追記:現在は、担当さんそのまま株式会社TIEWAへ移行)さんに、開発に至るまでの想いや、便利な使い方、インタビューだからこそ聞ける裏話など、AMBIRDの魅力についてお話を伺ってきました。

AMBIRDってどんな会社が作ってるの?

東京・表参道駅から並木道を数分歩いたところにオフィスを構えるアラン・プロダクツさん。ビルのエレベーターを上がると、今時のIT企業っぽいガラス張りのオシャレなオフィスが広がり、担当者呼び出しの電話がエントランスに置かれている。

ゲイアプリなんてマイノリティー向けのプロダクト作ってる会社だし、もっと小ぢんまりとした「趣味でやってみてます」的な感じを想像していた俺としては、あまりのしっかりとしたオフィス構えに少し緊張。後から知ったのだが、誰もが知っている大手上場企業の子会社らしい。

AMBIRDの他にも、セクシュアリティやジェンダーの多様性を尊重する社会を目指してつくられる漫画メディア『パレットーク』など、変えようのないことで悩んでいる人の悩みを解決するようなプロダクトを開発・運営している。

意を決して電話を鳴らし「アポをとっているアンロミーのひろすけです」と伝えると、すぐに担当の方が出迎えてくれた。(追記:現在は同メンバーが独立し、株式会社TIEWAでAMBIRDを運営されているそうです。)

AMBIRDの中の人と対面

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シロさん
どうもシロです!

そう気さくに挨拶してくれたのは、AMBIRDの中の人ことシロさん(@dai_G_cs5)。TwitterでもAMBIRDを紹介していて、フォロワーさんがそこそこいるので知っている人も多いかもしれない。

この時、俺はシロさんだと気づかなかったのだが、雰囲気で「あ、多分この人ゲイだ。」と察して、お仲間であろう人の登場に胸をなで下ろした。形式的にサクッと名刺を交換して、これまたオシャレな会議室に案内されインタビュースタート。

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ひろすけ
あの、いきなり聞くのもアレなんですけどシロさんセクシャリティは…?
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シロさん
あ、えーと、一応…はいGですよ。

インタビューが性的指向の確認からというスタートをカマしてしまう俺。(いきなり、プライベートなこと聞いてすみませんでした。)でも、プロダクトを当事者が作ってるって結構大事じゃない?なんか、安心するというか。

シロさんの他にも、バイセクシャルの方もアプリの設計に携わっているそう。ゲイだけでない、多様なセクシュアリティの視点が入ってるのも良い。ポイント高し。

AMBIRDは、Born this way なゲイ向け出会いアプリなんです

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ひろすけ
早速なんですが、ゲイ向け出会いアプリって、結構いろんなのあって、すでに飽和してそうな市場ですけど、なんで今更、国産のゲイ向けアプリ作ろうと思ったんですか?
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シロさん
最初は、国産のゲイ向け出会いアプリって、長らく新しいもので流行ってるプロダクト出てきてないよね〜って話だったんですけど、色々議論していく中で、既存のアプリは「見た目×距離」でしか相手を探すことができなくて、結局、都心に住んでて見た目が良い人にとっては使えるツールだけど、そうじゃない人にとっては自分ではどうにもならないところで評価されるような、ちょっと悲しい仕組みになっているなと思ったんです。
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ひろすけ
あー、めっちゃわかります。自分を知ってもらう前に、見た目でシャットアウトされたりとか、可愛いからと会ってみたら全然趣味合わなくて、モヤモヤした時間すごしたりとか……。
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シロさん
そうなんですよー。だから極論ゲイがモテるためには「短髪・ヒゲ・マッチョ」にならなきゃいけない!みたいな単一化した理想のゲイ像をみんな目指すみたいな風潮がある気がしてて、そういう人を頂点にマイノリティーの中でさえヒエラルキーが存在している気がするんです。

そういうのなんか生きにくくない?って思うし、もっと自分らしくいて、そんな自分を好きになってくれる可能性の高い人と出会えることの方が自然なんじゃないかって思ったんです。
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ひろすけ
それ、短髪ヒゲ(マッチョは今目指し中)の俺に言います? 笑。でも、わかります。元々俺もガリガリの前髪系だったし、そん時、全然相手にされなくて今のスタイルに変更したので……。
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シロさん
ありますよね。AMBIRDでは、そういう「ゲイとしてモテるためには、こうあるべきだよね」みたいなのを無くしたいんです。自分が自分のままで人と繋がれるアプリを目指したいなと。レディ・ガガの歌じゃないですけど「Born this way」的な。

それで、距離・見た目に加えて「共通点」が一目でわかって、「あ、この人趣味合いそう!」って、事前に相手の内面のことも少しわかった上で会えるアプリだったら、選択肢の幅も広がるんじゃないかって。

AMBIRDにはコミュニティ機能があり、参加すると共通点の多いユーザーがホームにレコメンドされやすくなり、タイプやこだわり、趣味などが合うと人と直感的にマッチングできる。

AMBIRDのコミュニティほんの一例
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ひろすけ
いや、めっちゃ良い。俺、タバコ吸うんですけど、吸わない人だと結構気を使うので、事前にそういうの分かるだけでも会うの楽だなーって思いますもん。

自分のタイプやこだわりをプロフィールにたくさん並べると、なんか面倒くさそうな人って思われがちですけど、こういう形ならナチュラルに自分のことをアピールできていいですよね。

真面目な出会いライトに欲しくない?

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シロさん
そういうマッチング的なところだと、ゲイの出会い系アプリってどうしてもヤリモクの人も多いじゃないですか。別にそれ自体が悪いとか禁止したいとかではないんですけど、真面目に出会いを探している人からすると「やりませんか?」ってしか来なくて萎えるとか「凄く良いなと思って会ったけど、蓋を開けてみたらヤリモクだった」みたいなの結構ストレスなんですよね。
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ひろすけ
あー…その感覚に慣れてしまっている俺としては耳が痛い。確かに、そのミスマッチで傷ついた〜みたいなのはよく耳にしますね。
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シロさん
そう!そのミスマッチの解消ってすごく大事だと思うんですよ。なのでAMBIRDでは「ヤリモクNG」って、アイコンで表明できるようにしてみたんです。意外と使って下さる方多くて驚いてます。

今まで、真面目に出会おうとすると婚活アプリとか活用するしかなくて結構ハードル高かった思うんですけど、そこまでじゃなくても「真面目な出会いライトに欲しくない?」って思うんです。これは、恋人だけじゃなくて友達探しという点でも言えると思うんですけど……。小さなことかもしれないんですけど、実はそういったところから、気軽に真面目に出会えるアプリを目指してます。
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ひろすけ
わかりみしかない…。アプリで純粋に友達を探そうとしても、やっぱりセックスのお誘いとセットみたいな雰囲気出ちゃうんですよね。

それはそれで楽しい部分もありますけど、それだけの繋がりってなんか脆い気がしてて、ゲイって子ども授かれる訳じゃないし、老後は、彼氏がいたとしても病気なったりとか死別とかあるわけじゃないですか。そうなるとフラットに支え合える仲良い友達がどれだけいるかが幸せに直結するような気がしてて、趣味のあう仲間みたいなのを真面目に探せたら良いなとずっと思ってたので……。
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シロさん
ちなみに、ウチのアプリはヤリモクメッセージが他に比べて圧倒的に少ないっていう感想をよくいただくんですよ。

AMBIRDはアングラ感のないオープンで気軽で真面目な出会いができる。これを大切にしたいなと思っていますし、「アプリでリアルしたらヤルのが当たり前」みたいな意識も、少しずつ変わっていったら良いなと思ってるんです。

未成年はNGを徹底しています

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ひろすけ
話しちょっと変わりますけど、AMBIRDはメッセージのやりとりに「年齢認証」が必須になってますよね?ゲイ向け出会いアプリで年齢認証ってかなり珍しいというか、そうすることで登録しにくいなと思う人も出てくると思うのですが、どうしてそうしようと思ったんですか?
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シロさん
はい。コレはもう、安心安全に使ってもらうためですね。最近、Twitterとかで未成年とセックスしちゃって逮捕されたゲイのツイートとかあるじゃないですか。知ってか知らずか、感覚マヒしちゃうのか、一線超えて人生棒にふるようなことが起きちゃってる訳で……。

ウチのアプリではそういうことが絶対起きないように「未成年は絶対に使わせない」ということを徹底しようと、年齢認証は必須にしました。
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ひろすけ
あー、そういう意図からだったんですね!確かに…未成年との出会いは一歩間違えると恐い。
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シロさん
確かに、身分証出すのはちょっとなぁってのはあると思うので「生年月日、書類の名称、書類の発行元」がちゃんと分かるようになってれば、名前や住所、顔写真なんかは隠してOKとしています。
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ひろすけ
あ、そこは隠していいんですね!俺、知らなかったんで個人情報フルオープンで送っちゃいましたよ笑。ちょっと心配。
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シロさん
セキュリティ面はしっかりしてるので安心してください。そのファイルにアクセスするためには何重ものパスワードを特定の場所から入れないと入れないんです。エンジニアの方にゴリゴリに固めてもらってますし、一定期間が経つと自動でデータが消えるようになってます。運営の私たちも入れません。 なので、年齢認証でゲイバレするようなことは一切ないです。

アプリの利用者が刑事事件を起こしたりして開示請求出された時は、データが残ってれば協力のために提出することはあるかもしれませんが、まともにアプリを使ってればまずそんなこと起きないですし、むしろ何かあった時の安心材料と思ってもらえたらいいなと思います。
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ひろすけ
ちょっと今までとは違って、便利なゲイアプリ出たなーってくらいに思ってたんですけど、背景にこんな熱い想いがあって色々と細かいところまで考えられてたんですね……。
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シロさん
はいw 実は、結構その辺、頑張ってます。

「ああ、いつもの顔だな」ってならないように

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ひろすけ
機能面の話もちょっとお伺いしたいんですけど、あんま知られてないけどココめっちゃこだわってるよ!便利だよ!って開発側からみんなに知ってほしいところとかあります?
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シロさん
そうですね…やっぱり、いつ開いても新鮮な顔触れになるようアルゴリズム組んでるところでしょうか?
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ひろすけ
というと?
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シロさん
今までのゲイアプリって自分に近い人順に表示されるので、長くその地域で暮らしてると、見知った顔ばかり表示されて「ああ、またこの顔か」ってなりません?
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ひろすけ
あー、なります。地方とかだと特にずっと代わり映えないです。
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シロさん
AMBIRDではいつ開いても、新鮮な出会いを演出したいなと思っていて、ホームに表示される顔触れのアルゴリズムにはかなりこだわってるんです。

距離の近さだけじゃなく、年代や、共通点の多さ、ログインした時間など様々な条件を元に「リアルタイムでオススメのマッチングしやすそうな人」がレコメンドされるようになっています。なので毎回同じ人が表示されるということがなくて、必ず新しい出会いがそこにある。
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ひろすけ
おおお!何気なーく使ってたんですけど、それはめっちゃ嬉しい機能。もう、新しい人見つけるために位置情報変える手間もないわけですね。
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シロさん
はい!その辺は、システムがうまい具合にやってくれます。最近だと「趣味が〜〜のあなたに」みたいな共通点(参加しているコミュニティ)ごとのレコメンドも実装されましたし、アプリ内でコミュニティーのリクエストを受け付けて順次増やしていっているので、マッチングの精度はどんどん上がって行くと思います。より使いやすいように、どんどん便利な機能はアップデートで追加していきたいと思ってます。

位置バレしない安全設計

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ひろすけ
他にも何か便利な使い方あったりします?
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シロさん
あー、フィルター(検索)機能ですかね。今はあんまり使われない雰囲気ですけど、実はかなり便利ですよ。例えば、近場の人とすぐに会いたいなーとかいう時は、距離を2kmとかでフィルターかけてもらえれば、近くのユーザーだけを表示させることができます。
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ひろすけ
そんな使い方が…!コレ、フィルター使って距離3kmとかで絞ったら近い順に表示される感じですか?
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シロさん
あ、そこはランダムです!位置バレとか怖いじゃないですか。誰とも知らない人から「同じマンション住んでます?」とか「職場どこどこですか?」とか、特定されるのたまったもんじゃないですよね 笑。

だからフィルターで絞り込める最小の距離は3kmにしています。会おうと思えば会いに行ける距離だけど、どこに住んでるかとか勤めてるかとかまではわからない距離。
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ひろすけ
え、めっちゃ配慮されてるw この発想、当事者じゃないと出てこないですよね。
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シロさん
ええもう、それは。日本一、安心安全なゲイアプリ目指してますから。

スッスンさんに服を着せた理由

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ひろすけ
そういえば、AMBIRDの広告のモデルって……これ、スッスンさん…?ですよね?
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シロさん
あ!そうです!服着てると、一瞬アレってなりますよね笑
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ひろすけ
そう!広告で服着てらっしゃるスッスンさんとか、初めてみた気がするので、なんか違和感がすごくて。笑 一瞬、本人かちょっと自信持てませんでした。
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シロさん
多分、彼に服を着せたのウチが初めてかも知れません 笑。 というのも、繰り返しになりますが「真面目な出会いをライトに」ってのを目指しているので、イカニモ&エロい雰囲気を強く出したくなかったんですよね。それで服を。
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ひろすけ
いや、なんか凄いレアな感じします。

あ、ちょっと意地悪な質問してもいいですか? 先ほど「ゲイのヒエラルキーを無くしていきたい」的な話をお聞きしたんですけど、広告はスッスンさんなんかい!ってちょっと思ったんですがw
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シロさん
あ、思いますよね。みんなに興味を持っていただきたいというのはアプリを運営する以上は避けられないので、最初の1歩目としては彼を起用しました。でも、最終的には色んなタイプのモデルさんが一堂に会しているようなビジュアルに持っていきたいなと思ってるんです。
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ひろすけ
あー、それはいいですね! なんか今までにない感じで、素敵です。そうなるの楽しみだな……。
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シロさん
ちなみに現在、モデルさん集めるのを結構頑張っていまして…ひろすけさんお友達とかでいらっしゃいましたら、ご紹介いただけると嬉しいんですけど 笑
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ひろすけ
おお、もし友人や読者の方で興味ある方いたらご紹介しますね。(もし、読者の方で興味ある方いたら @hirosuke111 宛に連絡ください。)

すでに恋人ができて退会する人も

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ひろすけ
最後の質問なんですが、アプリ公開してから、ユーザーさんから嬉しい反応とかって返ってきました?
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シロさん
公開すぐから友人に使ってもらったりしてたんですけど、こないだ「AMBIRDで恋人できたから、退会するね〜」ってメッセージ来て、それが一番嬉しかったですね。
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ひろすけ
え!まだ公開してそんな経ってないですよね。すでにカップル誕生しているのか…。
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シロさん
恋人できたらやめるんだw マジメやなぁ!って突っ込んだんですけど、そういう、真面目に出会いたい人にとって使いやすいアプリでありたいってコンセプトだったので、本望といえば本望ですね!
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ひろすけ
あー、なんかほっこりしますw
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シロさん
あとは「共通点リアルしたけど、めっちゃ会話はずんで楽しかったよー」みたいなのとか嬉しかったですね。
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ひろすけ
『共通点リアル』って、なんか良い響きですね。とても健全な感じするw この言い回し流行りそう。
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シロさん
やっぱ、前もって相手のことが、それとなくわかってるっていうので、出会いの質が違うんじゃないかと思うんですよ。AMBIRDはライトだけどちょっと真面目さのある良い出会いをたくさん生み出して行けるアプリでありたいですね。
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ひろすけ
いやー今回、取材させていただいて良かったです。ゲイの出会いに新しい風が吹き始めるような、そんな気配を感じることができました。

インタビューを終えて

真面目な出会いを気軽に。

取材前までは、今までよりも使いやすそうな出会いツール出たな〜くらいの感覚だった俺ですが、今回インタビューさせていただいて、その根底には、今までのゲイの出会いに対するネガティブな部分を解消し、新しいゲイの出会いの文化を作っていこうとする開発者の熱い想いがあるのを知りました。

本編では紹介できなかったのですが、新規のHIV感染者の7〜8割がゲイという事実を当事者として重く捉えており、裏目標として真面目で気軽な出会いの文化をつくることで、ゲイのHIV感染率の低下をもアプリを通して目指していらっしゃるそうです。

ゲイの出会い系アプリというと、即物的なものとして捉えられがちですが、実はとても社会的な意義を持って運営している会社さんでした。

「良いな」感じたら、登録してみててはいかがでしょうか。もし、これをきっかけにAMBIRDで素敵な出会いを経験したら、こっそり教えていただけたら嬉しいなと思います。

アプリのDLはこちらから

2019年10月追記:アンドロイド版も公開されました。

AMBIRDについて、より詳しく知りたい方はこちら!

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