
【騙されない方法】ゲイアプリで多発中の「ロマンス詐欺」について調べてみた
ゲイアプリを日常的に使う人の中には、アプリの中で詐欺を目論むアカウントが増えていることを知っている方もいるのではないでしょうか?
近頃では「ロマンス詐欺」なる新しい詐欺が増えており、ゲイアプリだけでなくノンケ向けのアプリやSNSでも詐欺にあってしまう人が続出しているそう。
日本国産の二大アプリともいえる9monsters、AMBIRDではともにアプリ内での注意喚起をしているようです。
一部のゲイにとって、ゲイアプリはゲイ同士をつなぐ欠かせないツール。普段からゲイアプリを使っている人も、これからゲイアプリを使おうと思っている人も、ロマンス詐欺をはじめとするさまざまな詐欺に騙されないよう注意しながら出会いを楽しむことが必要になってくるでしょう。
ということでこの記事では、ゲイアプリで流行しているロマンス詐欺などの特徴、そして詐欺手口や騙されない方法について解説していきます。
ゲイアプリで行われる詐欺とは?
主にゲイアプリの詐欺で多いのは、以下の2つ。
①恋愛感情を利用した「ロマンス詐欺」
②お金儲けができると誘われる「仮想通貨アプリ」
①のロマンス詐欺というのは、ゲイアプリやSNSなどのネット上で知り合った相手を騙して、ロマンスという文字通り恋愛関係になったかのように振る舞った挙げ句、金銭を要求してくる詐欺のこと。「こちらはピュアに恋愛をしていたつもりなのに…」と涙をのむことにならないように注意が必要かもしれませんね。

実はこのロマンス詐欺、コロナ禍に入ってから被害が拡大しているそう。コロナでの孤立や長い自粛ムード中に人の孤独感を利用して恋心を弄び、振り込め詐欺に発展させるものだという。海外に存在する詐欺組織、詐欺グループから目をつけられた出会いアプリやSNSがターゲットになり、アプリ内では無作為に詐欺をねらったメッセージのやりとりがされているそうです。
手口としては、ゲイアプリのメッセージのやり取りで相手を信頼させ、その後LINEなどのコミュニケーションツールを交換。そこから、長ければ何ヶ月かかけて相手に恋愛感情をもたせてお金を振り込ませるという、いわゆる結婚詐欺などと同じような方法です。
②のお金儲けができると誘われる「仮想通貨アプリ」では、実際に自分が儲かったということを根拠に、稼げるとそそのかされて架空サイトに登録させられ、お金を振り込まさせられる詐欺のこと。
正直、コロナ禍でお金に困る人も多かったはず。お財布の中身と精神が心もとなくなっているときに、詐欺師の言葉巧みな誘惑に流されてお金を騙し取られてしまうのです。
ゲイが詐欺のターゲットになる理由
ゲイアプリのユーザー、つまりゲイの男性たちがターゲットになるひとつの理由に、まだまだ自分がゲイであることを隠さなければいけない社会の雰囲気というのがあります。
たとえば、クローゼットなゲイが詐欺被害にあったとして、警察に届ける際に「ゲイアプリで騙された」と正直に伝えることができるでしょうか? 犯罪に巻き込まれたとなると、本人だけの問題ではなくなります。警察や家族、まわりの人たちにもゲイアプリの利用者であることがバレたくないという人も多く、もし詐欺被害にあったとしても泣き寝入りしてしまう人も多いと詐欺師たちには思われています。
アダルトサイトやエロ系の出会いアプリなども同じで、もし被害に合ったとしても警察などに相談しにくかったり、それがきっかけで不倫がバレたりゲイがバレたり……。
被害者の後ろめたさまで計算されているというのは非常に悪質ですよね。しかし騙されないように注意すれば問題ありません。次の章では、騙されないためにできることをお伝えしていきます。

ゲイアプリでの詐欺師の手口
ゲイ以外がゲイアプリを使っても実際にいい出会いには繋がりませんが、詐欺師にとっては別。ゲイアプリをダウンロードしてしまえば、自分もゲイであるということにして潜り込むことが可能なのです。
ゲイアプリのなかでも特に年齢確認書類が必要ないアプリでは、入ってきた詐欺師はゲイアプリを使っているユーザーとすぐにコンタクトを取ることができてしまいます。アプリは手軽で楽しい半面、こんなふうに誰でも気軽にコミュニケーションがとれるもの。それを利用して近づいてくる詐欺師には、十分注意して楽しんでいきたいですよね。
ここからは、ゲイアプリでの手口の順序を説明していきます。
手順①お相手からメッセージが来る
ゲイアプリのユーザーの多くは「こんにちは!」などのベーシックなあいさつ程度のやりとりが多いので、詐欺師からの連続したメッセージに興味をひかれる人も多いかもしれません。
何度も自分に気のあるような連絡が来たり、頼りにされることで自己肯定感がくすぐられ、すぐに心をひらいてしまう人も少なくありません。比較的コミュニケーション相手が少なく、褒められ慣れていない人であればなおさら詐欺師の巧みな言葉に惑わされてしまう人も多いので、注意が必要です。
詐欺師は釣り師のように、ゲイを釣り上げることを目論んでいます。いろんな人にたくさん連絡をしかけて、反応があった人をターゲットにしていくのです。
手順②LINEに誘導する
また、多くの場合特徴的なのは、すぐに返信率の高いLINEなどのSNSを交換しようと伝えてくることです。「この出会いアプリはあまり使わないから….…」などの理由ですぐにLINE交換を求めてきますが、何度かメッセージを送り合って信用できそうと感じてから、LINEなどは交換するのが良いでしょう。

LINEなどは出会いアプリよりも頻繁に使う人も多いでしょうし、通知が来るように設定している人も多いはずなので、いち早く連絡先をゲットしようとしてくるのかもしれません。
手順③心を開かせようとしてくる
ロマンス詐欺や仮想通貨への勧誘などで、肝となるのは相手からの信用です。心を開いてくれないことには、お金を貸したり託したりはできませんよね。
ロマンス詐欺の詐欺師は、ゲイアプリの中で見つけたターゲットにさまざまな言葉で駆け引きを行い、だんだん甘い言葉やストレートな好意を投げかけて来るでしょう。ターゲットもだんだんそれにハマってしまい、詐欺相手からのメッセージを待ち望むようになってしまうのです。
仮想通貨への勧誘では、確からしい情報をたくさん伝えてくるなどして相手を信用させ、ときにはお試しで少し儲けさせるなどして完全に心を開かせます。「この人に従えば自分はお金持ちになれる」と錯覚させられないように、注意しなければいけませんね。
手順④お金を振り込むように言われる
詐欺なのか否かを判断する絶対的な基準は「金銭を要求されるかどうか」です。

ロマンス詐欺では、完全にターゲットが恋に落ちたとわかると「家族が事故にあってしまい、あなたしか頼れない」などと言って、お金を貸してほしいとお願いされるケースも。そうなると情が湧いている方としてはついつい相手を信じて貸してあげてしまったり……。
そのようなシナリオで、数十万から数百万円ほどを騙し取ろうとしてくる詐欺師がいるのです。
手順⑤連絡が取れない状況になる
お金の振込みが終われば、もう詐欺師がターゲットに関わってくることはありません。SNSアカウントなどを削除し、ターゲットが騙されたと気づいても自分のことを調べられないように連絡できる手段はすべて断ち切られてしまいます。
「今まで自分が騙されていたなんて信じたくない」と感じる人がほとんどですが、お金を振り込む前に詐欺であると気づかなければいけないのです。連絡を遮断されたあとに、いくら教えられた住所や電話番号を調べてももぬけの殻となっているでしょう。
ゲイアプリで詐欺師かどうか判断する軸
みなさんが普段から使うゲイアプリで、そのアカウントが詐欺師であるかどうかは慎重に判断する必要があります。怖いと思った方もご安心を。詐欺師には必ずパターンがあり、その特徴を知っていれば詐欺対策ができます。
ここでは、そんな詐欺アカウントを判断する軸について4つを挙げます。
すぐにLINEを聞いてくる
あいさつ程度しかしていないのに、すぐにLINEなどのプライベートなSNSを聞いてくるというアカウントは、一度疑ってみて良いかもしれません。ただ単にLINEを交換するだけの詐欺師ではないアカウントの場合もありますが、「もう少し話してからLINEに移ろう」と伝えてみましょう。
特にイケメンからそのようにお願いされたら「こんなチャンスは無い!」と思い、ここでLINEを教えなかったらもう連絡が来ないかも……と不安になるかもしれません。でも、そこはグッとこらえて。
なぜなら、とくに詐欺師のアカウントではイケメンのアジア人の写真が使われていることが大半だからです。
プロフィール写真がイケメンアジア人画像
このチャンスを逃すまいとターゲットに思わせるために、イケメンなアジア人男性の写真を使うのが詐欺師のパターンのひとつです。ほかのアプリでの拾い画像、ネットでの拾い画像を使っている場合も多いと言われています。
もし金銭を要求されそうになったら、そのプロフィール画像をGoogleの画像検索で調べてみてもいいかもしれません。アジア系の外国人のイケメン、名前も外国風なものが多く見受けられるそうです。
プロフィール文章やメッセージが不自然
プロフィール文章に書かれる職業にも偏りがあると言われています。
- パイロット
- 経営者
- 金融系
- 米兵
などの高収入や信頼を匂わせるような職業であるといつわり、イケメンの画像を設定。ターゲットに目を留めてもらうためにリアリティがありながらも「すごい人だ」と思わせるようなプロフィールには注意しましょう。

もちろんすべての外国人や日本語ネイティブでない方がそうではありませんが、詐欺師が不自然な日本語を使ってくるというのも特徴で、特にこれは海外の詐欺グループが関わっているという理由からです。
すぐに「付き合いたい」と言われる
そんなイケメン高収入の方に猛アタックされたら、ついつい引っかかりそうになってしまいますよね。特にゲイはなかなか好きな人と両思いになれなかった人も多いはず。イケメンからの甘い言葉にそそのかされて、お金を騙し取られてしまうということもゼロではありません。「プレゼントを受け取ってほしい」「資産を譲渡したい」などの言葉を受けて信用してしまい、支払手数料としてお金を騙し取られる場合も。
「こんなに素敵で自分を好きになってくれる人にこれから会えるのか?」という気持ちから、ムリなお願いや金銭の要求に答えたくなってしまう人もいるかもしれません。特に詐欺師はすぐにお金をなるべく多く騙し取りたいので、関係性を急に縮めてこようとする場合があります。
あいさつ程度でLINEに移動しようとしたり、すぐにお付き合いしたいと言ったり、運命の人であるかのような錯覚をさせられたりする場合には「少し落ち着いて考えてみよう」と、理性的になるようにするといいかもしれません。
詐欺にあったら?落ち着いて行動を
詐欺にあってしまったらパニックになり、どうしていいかわからなくなってしまう人もいると思います。しかし冷静に行動し、可能であれば泣き寝入りせず警察に届け出ることも重要です。
詐欺にあってしまうとなかなかお金を返してもらうことは難しいですが、新たな被害をうまないように、ゲイアプリでの被害を最寄りの警察署に相談し、被害届を出すことも検討してみて下さい。
証拠集め
まずは気づいた時点で詐欺師の情報を、スクリーンショットしておきましょう。
- どんなアプリで詐欺被害にあったか?
- 詐欺が行われた日時はいつか?
- 詐欺が行われたアプリ、SNSなどの画面または場所の詳細
- 詐欺被害の金額はどのくらいか?
- 詐欺師のアカウント情報詳細
などを用意しておけるようにするとよいでしょう。
アカウント削除や送信取り消しなどができるメッセージアプリなどでは特に、被害にあってしまった側が警察などに相談する際に見せる証拠が消えてしまう可能性があります。焦らずにまずは自分で集められる情報を集めておくようにすることをおすすめします。
アプリへ報告
ゲイアプリで被害にあった場合は、該当のゲイアプリにも報告を行いましょう。該当の詐欺アカウントを違反報告しておくことで、その後警察に相談した際スムーズに調査が進むこともあります。
アカウントを消してしまう詐欺師も多いので、金銭を要求されそうになったらすぐに違反報告をすること、また普段からどんなアカウントの人と話をしているのかきちんと理解した上でコミュニケーションを行うとよいかもしれません。
警察に相談

ゲイアプリを使っているということを伝えることが難しいという理由で、警察に被害届を出すのはハードルが高いという方も多いのではないでしょうか?
しかし、被害にあったことをそのままにするのではなく、可能であれば住んでいる近くの警察署に被害届を出すことも検討してみましょう。被害届を出すときには、証拠集めの章でもご紹介したとおり
- どんなアプリで詐欺被害にあったか?
- 詐欺が行われた日時はいつか?
- 詐欺が行われたアプリ、SNSなどの画面または場所の詳細
- 詐欺被害の金額はどのくらいか?
- 詐欺師のアカウント情報詳細
などの情報を提出します。もし情報がわからない場合には、該当のゲイアプリなどに協力を要請することもできるようです。まずは分かる範囲で情報を集めて、警察に相談してみてはいかがでしょうか。
あやしいと思ったら、消費者ホットラインへ電話
お金を振り込む前に少しでも「おかしいな」と思ったら、「消費者ホットライン」188番への電話も考えてみて下さい。

「消費者ホットライン」188番に電話する流れ
- 188にかける
- 郵便番号等を入力
- 近くの市区町村や都道府県の消費生活センター等の消費生活相談窓口を案内される
- 不安に思っている状況について説明する
まさか自分が詐欺にあうなんて思わない。ほとんどの詐欺被害者はそう思っています。自分に限って言葉巧みに騙され、お金を騙し取られるなんて信じられない…そんな気持ちを一度捨てて、冷静に相手を見てコミュニケーションしていくことが必要なのかもしれない。
ゲイアプリには注意しつつ、良い出会いを。