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もはやゲイビデオ?話題の18禁BL映画『性の劇薬』ついにNetflixで配信開始

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映画公開当初から話題になっていた『性の劇薬』がNetflixで見られるということなので、BL初心者が早速視聴してみました。

SNSでも、「もはやゲイビデオ」なんて感想を見ていたので、どないなもんじゃいと楽しみに見始めたのですが、本当にゲイビデオでした。

あらすじ等は以前公開した記事をご参照ください。

映画冒頭、目が覚めたら、薄汚い実験室のベッドに全裸で体を拘束されてるって…「殺される!!!」ってパニックになるシチュエーションですよね。

しかし、実際はあらゆるアダルトトイ(というか、ガチガチの調教グッズ)で、性開発されていく主人公、桂木 誠。訳もわからず苦しみながら調教されていくシーンは、見ていて痛々しく見ておりました。(多分ここでガンガン勃起しちゃう方もいらっしゃると思いますが…)

本編の大まかなあらすじとして、自殺を図ろうとした主人公が、謎の男・余田龍二に徹底的な快楽で、「生」を体に叩き込まれるという哲学的な設定がありますが、あくまでゲイから目線で見ていると、

  • ディルドそんな角度で突っ込んだら絶対痛いって!とか、
  • ローションそんな部位にぶちまけられたら洗うの大変だよ。とか、
  • 一回の射精量そんな多いの!?ってかめちゃくちゃ飛距離あるね!?羨ましい!とか、
  • っていうかこの子、ノンケだよね?すぐトコロテンするし、すぐ潮吹くし、ウケとしての才覚に恵まれすぎてるでしょ!?
  • 神に選ばれし天性のウケじゃん!

って思っていたところ、本編でもきちんと「お兄さん、才能あるよ」と仰ってくださっていたので、ホッとしました(何が?)

ただ、謎の男・余田がしていることは殺さないだけで、ノンケ(というかそういうプレイが好きでない人)からしてみれば普通に拷問なので、「ああ、これ、セックス版『SAW』だ…余田はジグソウだ…」と、想像してゾッとしてしまいました。徹底して器具での開発をしている点も、拷問っぽくて怖かったです。(あくまで個人的な感想です。つい頭によぎってしまいました、すみません)

性的快感と恐怖が入り混じる、状況とは?こうやって字面で見ると、連続犯罪味がありますね。生と死がいかに紙一重であり、表裏一体なのか。こんなチープな言葉使いたくありませんが人間の狂気を感じます。

と、ここまでの印象は

「セックスサイコパス×天才ウケ青年」の拷問ホラー。

ですが、さすが大ヒットBL漫画が原作のだけのことはあります。

何故余田がセックスサイコパスになったのか(なってない)、きちんとしたバックボーンやディティールに感動してしまいました。

ここからは本編のネタバレを含みます。注意してください。

余田は、救急救命の外科医で、終末医療に従事する恋人を自殺で亡くしていたのです。

ギリギリの命を救う余田に対し、ただ安らかな死を受け入れるだけの恋人は、己の無力さに耐えきれず死を選びます。余田にとって大切な命を救えなかった余田は、自らも死に場所を探しているようでありました。

その矢先、偶然出会った桂木。人生に絶望し、生きることを投げ出そうとしていた彼に余田は、怒りにも似た何かを覚えたのでしょうか。徹底的に桂木に「生」を植え付けようとするのです。

容赦のない快楽を体に叩き込まれた桂木は、生きることを選びます。決して、快楽に溺れて、性の奴隷に成り下がったわけではなく、ただ生きることを選ぶのです。

それを見届けた余田は、桂木を自由にし、タネ明かしをするように自らの過去を明かすのです。

全てを語り、一つの役目を終えた余田は、亡き彼を追うように入水自殺を図ろうとしますが、桂木に止められ、二人は本当の意味での”セックス”をするのです。

ラストの濡れ場、象徴的だなと思ったのは、キスシーン。二人はもう下半身だけでの繋がりではなくなるのです。やっぱりキスって大切。

そして、これまで余田からの一方的な快楽を拒み続けた桂木が、きちんと彼からの快楽を受け入れてセックスをする。そうそう!これだよ!セックスって!と、つい興奮してしまいました。

心が死んでいたもの同士が、性の快楽を通して「生」を痛感する。

ただのエロで終わらせない、BL原作の真骨頂なのではないでしょうか?

本編も90分程度でさくっと見やすく作られているので、ご覧になってない方は是非一度見ていただきたいです!

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